呼吸器内科とは

気管支喘息] ┃ [咳喘息] ┃ [肺気腫(COPD)] ┃ [呼吸器感染症
結核] ┃ [非結核性抗酸菌症] ┃ [呼吸法の指導・リハビリテーション

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呼吸器内科とは

当院では咳、痰、血痰、息切れ、呼吸困難などの呼吸器内科の症状、気管支炎、肺炎、気管支喘息、呼吸不全、
気管支拡張症、肺気腫(COPD)、肺非結核性抗酸菌症、睡眠時無呼吸症候群、肺癌などの呼吸器内科の病気、
在宅酸素療法、呼吸器疾患のセカンドオピニオンなどに対応しております。

また、健康診断で胸部レントゲンや胸部CTの異常を指摘された場合など、医師からの説明もなく医療用語だけ記載されてるケースが非常に多いのですが、当院ではその際のフィルム画像やCD-ROMを持参していただければ、分かりやすく説明いたします。また、当院での健康診断ではレントゲンの結果は撮影後すぐに説明いたします。

以下に代表的な病気の説明をいたします。

気管支喘息

気管支喘息は繰り返し起こる咳や喘鳴や呼吸困難が特徴で、タバコ、ハウスダスト、ダニ、ペット、花粉などが原因となったり、寒冷や風邪などが誘因となって気道が狭くなる病気です。好酸球などアレルギーが関与する細胞が気管支に浸潤して気道の炎症をもたらして症状を引き起こします。
以前は年間3000人以上死亡する病気でしたが、近年、吸入のステロイドや気管支拡張薬の開発が進み、年々気管支喘息による死亡数は減少しております。
以前はステロイドというと骨粗しょう症や胃潰瘍などの副作用があるから恐いというイメージでしたが、吸入薬の場合は気管支に選択して働きますので、副作用の心配はほとんどありません。気管支喘息はこれらの薬により気道の炎症がとれて気管支が拡張しますが、薬をやめてしまうと気管支が再び狭くなったり、炎症がひどくなり、元に戻らなくなるばかりかだんだんと炎症がひどくなっていくことがあります。
家のほこりやペットなどが原因の場合はそれらの対策をしなければなりません。また、毎日の薬を継続することが大切です。

咳喘息

風邪の後や室内外の温度差や同じ季節になると咳が長引いたりすることがあります。
以前は自然に治ったり、咳止めを飲んでたらすぐ治ったのに、最近咳が出始めたら治りにくくなったとか、いつもより咳が長引くという時は咳喘息の可能性があります。もちろん、結核や気管支炎、肺炎、肺癌などの病気の可能性もありますので、咳が長引いたときは胸のレントゲン撮影や痰の検査をして、これらの病気を否定した上で、咳喘息かどうかを判断します。呼吸機能検査や血液でのアレルギー検査などで診断をすることもあります。
アレルギーが関与しますので、普通の咳止めを飲んでもなかなかよくなりません。咳喘息をそのままにしておくと、約3割が気管支喘息に移行してしまいますので、早めに呼吸器内科の専門医にかかり、診断と治療をすることが大切です。

肺気腫(慢性閉塞性肺疾患:COPD)

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は気管支中枢部や肺の末梢(肺胞)の炎症が進行していく病気で、慢性気管支炎と肺気腫を合わせた疾患名です。COPDの原因は遺伝子異常の場合もありますが、非常にまれであり、ほとんどの場合は長期の喫煙と深い関係にあります。

図1

 

図1はCOPDの方のCT画像です。
タバコによって肺胞構造が破壊されて、肺がスカスカになっており、この部分は肺の機能としてまったく働いていません。
COPDは咳、痰、息切れなどの症状が多いですが、これらの症状を認める病気は間質性肺炎、肺癌などの呼吸器疾患の他に心臓の病気もありますので、それらを考えながら診断をしていくことになります。

図2

 

具体的には胸のレントゲンやCT、呼吸機能検査などでCOPDの診断をしていきます。
呼吸機能検査ではフローボリューム曲線といってそのパターンでどんな病気かが分かります(図2)。

 

図3

 

禁煙をしているのにどうして息切れがひどくなるの?という質問をよく受けますが
図3のようにタバコを1本も吸っていない健康な人でも高齢になると呼吸機能が低下します。
タバコを吸っていた方はそれよりも早く進行していますし、禁煙した後も呼吸機能は低下します。
禁煙することにより喫煙を続けた場合と比べて症状が出てくるのは遅れますので
早期の禁煙が非常に大切です。
当院では保険診療で禁煙外来をしていますので、気軽にご相談ください。

治療は喫煙をしていたらまず禁煙が必要です。また、早期に吸入薬などの導入や呼吸リハビリをすることにより症状が和らぎます。息切れがひどい場合や酸素が足りない場合は在宅酸素療法を導入することもあります。
また、COPDの方はインフルエンザや肺炎になると重症化して命にもかかわることがありますので、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンでそれらの感染を予防することが大切です。

呼吸器感染症

呼吸器の感染症は気管支炎、肺炎、結核などがありますが、菌の種類は多彩です。図1は日本での肺炎の起炎菌の頻度ですが、この中で重症となるのがマイコプラズマや肺炎球菌による肺炎です。抗生剤をやみくもに処方すれば最近の抗生剤はある程度の菌には効いてしまいます。
しかし、抗生剤の量が不十分であったり、抗生剤の乱用による耐性菌の出現などの問題もあります。風邪やウイルス性疾患の場合には抗生剤は必要ありませんので、的確にウイルス性か細菌性か、また細菌性であればどんな菌が悪さをしているかを判断する必要があります。
当院では肺炎で重症になりやすい肺炎球菌、レジオネラ、マイコプラズマは迅速診断キットで判断し、喀痰検査も含めて適切な抗生剤を使用していきます。

結核

日本は先進国ですが、アメリカやヨーロッパなどに比べてまだまだ結核の罹患率が高く、結核の中蔓延国と言われています。
日本もHIV感染が増えるにつれて、HIV感染合併結核が増えてきています。
また、世界の人口の1/3が結核に感染していると言われていますが、日本でも2007年のデータでは50歳代の方の約30%、60歳代の方の約50%、70歳以上の方の70%以上は結核に感染しているとの報告があります。それだけの方が感染していると聞くと驚くと思いますが、その中で生涯の間に発症するのは約10~20%と言われています。

長引く咳などで咳喘息や気管支炎ということで何カ月も治療されていて、結核がひどくなってからみつかるということもしばしばあります。また、レントゲンの異常がないので結核ではないと言われたが、レントゲンでは判断が難しい気管支結核であったということもあります。これらは結核を疑っていないと診断ができません。結核は早期に診断すれば外来でも治療することが可能ですが、結核が進行すると人にうつすようになってしまい、入院勧告を受けて、仕事などどんな理由があるにせよ2か月以上、場合によっては数カ月も入院をしなくてはなりません。長引く咳の場合は早めに受診し、的確な診断、治療をすることが大切です。
診断は痰の検査で結核菌を証明することですが、他にレントゲンやCT、血液検査(結核菌特異的IFN-γ検査)でも診断の補助になります。当院でも血液検査で結核菌に感染しているかを調べることができます。

非結核性抗酸菌症

結核と同じ抗酸菌という菌種のカテゴリーに入りますが、結核とは違って人にうつす心配はありません。
しかし、いろいろな画像のタイプがあったり、診断や治療が非常に難しいので、呼吸器専門医が診断、治療することがほとんどです。
タイプによっては進行が遅いこともあるため、治療をせずに経過をみることもあります。やせていて体力がない方が多いため、呼吸リハビリや体質改善が必要で、当院では全身をみて治療法を選択していきます。

呼吸法の指導・リハビリテーション

呼吸器の病気の場合は非常にやせていて、胸やお腹の筋肉がなく、食欲がなかったり、食べても太らないという方が非常に多いのです。
内科はおろか呼吸器内科専門の先生でも病気に対する薬だけを出してそれらの相談にはのってくれなく、仕方がないと言われてしまいます。
胸の筋肉がなかったり、呼吸方法が下手な場合は胸がうまくふくらみませんので、そのすぐ近くにある胃もふくまりませんし、お腹の圧力が高まり、お腹の筋肉も硬くなってしまいます。
当院ではそれらをふまえながら、運動やストレッチ法の指導をし、場合によっては漢方で治療をしていきます。

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